3回目の投稿になりますが、隔月とはいえ、
テーマを意識したネタ探しや作文というのは、なかなか大変ですね。
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少し前に、BABOK(Business Analysis Body Of Knowledge)の研修に参加しました。
研修や自身での勉強を通じてBABOKを読み解く中で、IT投資マネジメント活動との関連性を感じる部分があったので、今回はその話をしたいと思います。
BABOK、BAとは?
BABOKとは、ビジネスアナリシス(BA)を行う為に必要なタスクやテクニックをまとめた知識体系であり、BA活動に関する共通のフレームワークです。
カナダのIIBA(International Institute of Business Analysis)という団体が2005年に初版を発行し、現在2.0版が最新となっています。
ビジネスアナリシス(BA)は以下のように定義されています。
ビジネスアナリシスとは、組織の構造とポリシーおよび業務運用について理解を深め、組織の目的達成に役立つソリューションを推進するために、ステークホルダー間の橋渡しとなるタスクとテクニックをまとめたものである。
また、BA活動を7つの知識エリアとして定義しています。
各知識エリアには、それぞれ関連する複数のタスクが含まれています。
- 計画と監視
- 引き出し
- 要求マネジメントとコミュニケーション
- 企業分析(EA)
- 要求分析(RA)
- ソリューションの評価と妥当性確認(SAV)
- 基礎コンピテンシー
それぞれの知識エリアに関する詳細説明は、今回は省略させていただきますが、各種情報サイトの多くの記事で紹介されておりますので、そちらを参照ください。
また、BABOK自体も、IIBA日本支部のHPから購入することが可能です。
http://store.iiba-japan.org/
BABOKに記述される各知識エリア・タスク全体を通して、
BA活動のポイントを概略すると、以下となります。
- 組織、業務を理解し、組織のビジネス上のゴールや目的を明確化する
- ステークホルダーが目的の達成に必要とする機能や能力を要求として引き出し、構造化し、文書化する
- 要求を分析し、目的達成との整合性を確認する
- 実装担当(プロジェクト)に要求を正しく伝達し、提案されたソリューションの妥当性を確認する
- 導入されたソリューションのパフォーマンスを評価する
BAタスクとIT投資マネジメントとの関連性は?
BA活動について、IT投資マネジメントの活動の関連性としては、
- 組織の目的、その達成に必要な「要求」に関して、評価・判断するための指標を定義することを重要としている点
- 組織の目的を達成するための「要求」に優先順位を付け、妥当性を確認するタスクを有している点
- ソリューション導入後に、要求を満足する効果を果たしているか評価し、次の分析活動へ繋げるタスクを有している点
が挙げられると思います。
BABOKでは、ビジネス上のゴール、目的は「SMARTであるべき」としています。
S:Specific(具体的)
M:Measurable(測定可能)
A:Achievable(現実的)
R:Relevant(目的と関連している)
T:Time-bounded(締切りがある)
また、優先順位付けられた「要求」(そして、その要求を満足するソリューションに対して投資すること)が妥当かを判断するための指標についても例示しています。
- 前提条件の識別
- 評価基準の設定(KPI)
- ビジネス価値の確認
- 要求トレーサビリティの確認
- ビジネスケースとの整合性
- 機会コスト
以下のタスクに関しては、「測定可能な評価基準の定義が必要」としています。
「5.5 ビジネスケースの定義」
「6.6 要求の妥当性確認」
「7.6 ソリューションのパフォーマンス評価」
BAタスクに記述されている、投資する要求、ソリューションに対する妥当性確認や、導入したソリューションに対して、定量的・定性的な評価を行い、その効果を判断すると共に、次の取組みへと繋ぐ活動は、IT投資マネジメントにおいても共通であると思います。
私自身、BABOKについてまだまだ勉強不足で、解釈の間違い等があるかもしれません。
今後、読み解きを続ける中で、また新たな気づきがあれば、ご紹介したいと思います。