2010年9月20日月曜日

最近の気付き。。。

このBlogの一番人気?となっている「JIPDECの「IT投資マネジメントガイドライン」について、Google Analyticsを見てみると、「JIPDEC ガイドライン」という2つのキーワードでアクセスしているヒトがかなり多いことに気付きました。

「IT投資マネジメントの知名度も高まっているんだなー」と勝手に解釈して喜んでいたら、JIPDECの「個人情報保護ガイドライン」が第二版に改定されてますね。。。(^^;
検索結果からこのBlogを訪れた方、ゴメンナサイ。このBlogで紹介しているのは、JIPDECの「IT投資マネジメントガイドライン」です(^^)

IT投資マネジメント分野のメモ+備忘録として始めたこのBlogも、同僚・知人を中心に多くの方に支えられ、気がつけば予想以上のPV数、ユニークユーザー数になっていることが分かりました。
自分だけのメモなら途中で挫折してたかも?と思うと、改めてこのBlogを見てくれている方々に感謝、感謝です。本当にありがとうございますm(_ _)m

ということで今回は、私の周囲の人達とのITIMに関するコミュニケーションを通して気付いたことについて、少しご紹介したいと思います。


まず、初めに以前お仕事をご一緒していたクライアントから、聞いたこと。。。
会社として数年間に渡ってIT投資マネジメントに取り組んでいると、評価のフレームそのものの再考が必要になってくる。
制度疲労という訳ではないが、数年前に設定した投資効果の測定方法、評価基準を、現在開発中のシステムに対して適用するのは適切なアプローチとは思えない。
但し、継続性を重視すると測定方法、評価基準の見直しは難しく、また変更することによる関係者への影響も少なくないから・・・悩ましい。 

当前と言ってしまえばそれまでの話ですが、クライアントの切実な声として聞くと、改めて「ITIMフレームワークの変化対応の重要性」を考えさせられました。
詳しい顧客事情はここでは書けませんが、7年くらい前からITIMを推進されている大手企業ですから、机上論的な「定期的に見直すべき」というアドバイスだけでは、対応できませんよね。
ITIMのフレームワークを策定する際に、「如何に変化対応をプロセスとして組み込んでおくか」が、非常に重要だということを改めて気付かされました。

次に、私の前職のコンサルティングファームの先輩から、聞いたこと。。。

クライアントの業務部門(ユーザ・営業等)はPL(経費)ベースで考えているが、システム部門は、BSも意識しなければならず、やはりROIが必要。
業務部門の施策がキャンペーン・企画的なものだともう大変で、単発のものだと完全に負の資産。

ROIの測定は難しい・・・という話題の中で聞いた言葉ですが、「確かに!」と思いました。
前職時代にITサービス事業者(当時はxSP事業者、今となってはXaaS事業者?)のクライアントを数年間担当していた(良否の側面がある内情を見てきた)ので、「クラウドが常にBest」と思っている訳ではありませんが、システム部門がBSを意識しなければ、、、という点には非常に共感できましたし、対話の相手次第でROIの捉え方/説明の仕方を考慮しておく必要があると改めて気付かされました(仕事柄?TPOはわきまえているつもりでしたが、マダマダですね)。
但し、現実問題としてBSを意識できているシステム部門は、(少なくとも私のクライアントには)多くなかったのが実情と思います。

最後に、私の前々職の通信キャリア時代の同僚&友人から、聞いたこと。。。
ブログ見ました。
住む世界が違い過ぎて良く分かりませんが、日本語ですか?

・・・
・・・・
・・・・・
私は良き友人に恵まれていて、本当に幸せです(^^)

もっと分かりやすい表現でないと、「伝わらない」という励ましですよね???
頑張りたいと思います。

2010年9月13日月曜日

Microsoft Project Server その2

前回このBlogで「MicrosoftのProject Server 2010」を紹介した時点では、MSの国内サイトに限定的な情報しか公開されていませんでしたが、気がつけば・・・ちゃんとした製品情報サイトが出来ていました(^^;


具体的な機能説明になるとUSサイトに飛ばされるのは相変わらず?で、ちょっと残念な気もしますが、新機能の説明、旧Verとの比較等、製品機能が簡単に把握できるようになった点は良いですね(製品情報サイトなんだから当然か???)。

今回新たに分かった情報の中で特に興味深かったのは、PWA(Project Web App)と呼ばれるWebベースのUIで、PWAの機能範囲には下記のPPM(Project Portfolio Management)機能も含まれているので、ちょっとだけ紹介。
  • 需要管理機能
  • ポートフォリオ分析機能
  • トップダウンサマリー機能

PWAの詳細は、コチラから。
PWAはスケジュール機能面でも単体のProject製品の7割くらい?をカバーしてますし、SPSとの親和性も高いことは大きなアドバンテージになると思っています。
操作性という観点で、リボン・インターフェースの賛否?はあると思いますが、複数のプロジェクト(スケジュール)を横断的にチェックして直接変更管理できる点は、PMにとっては有効でしょうね。

と、ここまで書き進めてきてから、PWAの詳細説明サイトを見つけました(^^;
様々な利用者視点(ポートフォリオ管理者、PM、メンバー)での使い方や、ビデオ紹介があります。


この情報への辿りつき方の難しさ?と、何故「サポート→ヘルプ」の下に纏められているのかは謎ですが、ビデオへのアクセス数を見る限り、現時点ではこの情報に辿りついた方は少ないようです。(私は3番目のアクセスでした・・・)
製品情報サイトのトップにUSのデモサイトへのリンクを作るくらいなら、この情報をリンクしてくれた方が、多くのユーザにとってメリットがあるのでは・・・と感じるのは私だけなのか???


該当サイトのビデオ紹介を見て気付いたのですが、PWAのポートフォリオ分析機能では、ビジネスドライバー設定、影響評価から有効フロンティア(効率的フロンティア)を導くことも可能で、予想以上にPPM機能は使いやすい(多機能ではないけれど、割り切って実装されている?)印象を受けます。













出典:Project Web App を活用する(Microsoft)


ちなみに、「Project Server 2010をもっと知りたい!」という方は、ちょっと頑張れば?下記サイトで具体的な画面、仮想サーバ上で操作イメージも把握できます。英語のみですが。。。orz

このように機能視点で捉えていくと、「Project Server 2010はアリだなー」という話になるのですが…一方で考慮事項も当然あります。

Project Serverを活用する上での一番の壁はプロジェクトのリーダー、サブリーダー全員がMS Projectを使って業務を管理し続けなければ意味がない。。。という根本的な課題部分になると考えています。

以前、私が所属していたコンサルティングファームでも、WBSやリソース計画作成等のプロジェクトの初期段階でベースとなるツールはMS Projectでしたが、設計・構築フェーズに入ってくると、リーダークラス全員が該当ツールを使いこなしていたか?という点には、疑問が残ります。

また、私がアカウントしてきた大手ユーザー企業のクライアントにおいても、プロジェクト管理にMS Projectを使う企業は多くは無く、「Excel文化」も根強いので(^^;


話が二転三転してあれこれと書きましたが、今回のポイントを纏めると・・・
  • Project Server 2010ではPWAと呼ばれるWebベースのUIが新たにリリース
  • PWAではPPMの各種機能が利用でき、かつ予想以上に使いやすい(多機能ではないけれど、割り切ってシンプルに実装されている)
  • Microsoftのリンク情報は相当分かり難いが、充実した情報が公開され始めている
  • 但し、Project Serverは関係者全員が活用しなければ効果を得にくいという根本課題がある

という4つになりますね。

前回の記事にも書きましたが、「SPSの発展形としてProject Server 2010という選択肢」をMicrosoft自身が強くPRをし始めたことは、ITIM、PPM市場の認知度向上としては望ましいことですね(^^)


2010年9月6日月曜日

PPM製品の動向&市場

先月2日に「PPM製品の注目度が高まっている?」という記事でスタートしたこのBlogも、気が付けば早1ヶ月。。。ということで、今回はPPM製品の動向及び市場について触れたいと思います。

まず、PPM製品の動向についてですが・・・残念ながら動向を「語れる」程、PPM製品に精通していないので、外部の公開情報をベースに「知っていることを纏めて」おきます(^^;

但し、私の知っている限り国内では、Gartner Japan、IDC Japan等の主要なリサーチ会社でさえ、PPMに特化した製品動向のレポーティングはしていません(IDC Japanではエンタープライズアプリケーション市場のエンタープライズリソースマネジメント(ERM)分野として、部分的には扱われていますが)。


つまり、PPM製品は国内市場における認知度は非常に低いということになりますね(いや、前向きに「これから伸びる余地が大きい!」と言うべきか?)。
そんなことを悶々と考えながら、見つけたサイトがコチラ↓。


このサイトでは、ポートフォリオ・マネジメントについての欧米での利用方法の進化・拡大が分かりやすく纏められていますが、実際のところ国内ではどうなんでしょう?
恐らく多くの国内企業にとっては、欧米の2002年頃の利用方法でさえ自信を持ってできていると断言できるところは少ない気がします(--;

次に、主力製品の市場におけるポジショニングですが、上記同様に国内のデータは見つけられない(存在しない???)ので、Gartnerのレポート(Magic Quadrant for IT Project & Portfolio Management)から一部を引用させて頂くと、、、
Figure 1.Magic Quadrant for IT Project and Portfolio Management
出典:Magic Quadrant for IT Project & Portfolio Management, 2010(Gartner) 

出典:Magic Quadrant for IT Project & Portfolio Management ,2009(Gartner) 

上記のマジック・クアドランド(Gartnerの市場分析)の2009年版と2010年版を見比べた中で、個人的に注目すべきと感じた点は、

  • リーダー企業は6社だが、事実上は4強(CA/PlanView/HP/Compuware)+1(Microsoft)に変化
    →国内では、未販売のPlanViewを除く4社がリーダー企業候補?
  • リーダー/チャレンジャー/ビジョナリーの各企業数は変わらないが、ニッチ企業数は3社(2009年)⇒15社(2010年)に急拡大
    →ターゲットを絞ったPPM製品は大幅増加、PPM市場の注目度は高まる一方?
  • チャレンジャー、ビジョナリーの各企業の中にはグローバルでは有名でも、国内では製品を投入していない企業も多い
    →海外の製品ベンダーからも国内のPPM市場は、マダマダと見られている???

という3つが挙げられると思います。
欧米ではPPM製品が普及・拡大している中、国内でPPM製品が普及しない原因は、様々なものが挙げられると思いますが、文章が長くなってきたのでその話はまた今度(^^)


2010年8月30日月曜日

ITGIの「Val ITフレームワーク」

前回は書籍を紹介しましたが、今回はVal ITのフレームワークについての話をメモしておきます。


ValIT(Enterprise Value: Governance of IT Investments, The Val IT Framework)は、ITGI(米国ITガバナンス協会)が、COBITを補完・拡張する位置付けで、IT投資管理のフレームワークとして体系化し、2006年に初版(v1.0)、2008年に第二版(v2.0)を制定しています。


#分かりやすい解説は用語解説サイトに譲りたいと思います(^^;


国内では、ITGI Japanが翻訳版を出しており、第二版(v2.0)は今年2月からITGIのWebサイトで公開されています。


ちなみに・・・Val IT2.0の原文を読みたい方は、コチラ。


ガイドラインの内容は、全6章、計118頁とボリュームがありますが、IT投資マネジメントに係わる実務者が着目すべき(と個人的に捉えている)部分は、4章~6章になると思います。


  1. 企業価値: 総合的/実践的アプローチの必要性
  2. Val IT フレームワークとは何か
  3. 主な用語、原則、ドメイン
  4. Val IT プロセス
  5. Val IT プロセスと重要な管理施策の詳細説明
  6. 部門の説明責任と実行責任


Val ITではプロセスをVG(価値ガバナンス)、PM(ポートフォリオ管理)、IM(投資管理)の3つのドメイン(領域)に大別しており、各ドメインで対応すべき内容について、「インプット」、「アウトプット」、「アクティビティ」、「役割」、「達成目標」、「測定指標」を具体的に定義してある点が、非常に参考になります。

なお、3つのドメインの「目的」について、ガイドラインの一部を引用すると、

VG:バリューマネジメント手順が企業内に確実に組み込まれ、経済的ライフサイクル全体を通じて、IT 関連の投資から最適な価値を確実に創出できるようにすること
PM:IT 関連の投資のポートフォリオを通じて、企業が最適な価値を確実に創出できるようにすること
IM:企業の個々のIT 関連の投資が、最適な価値に確実に貢献できるようにすること

と定義されていますが、各ドメインで纏められている内容を大雑把に表現するなら、
  • VG:IT投資価値の最大化のための体制、制度
  • PM:案件一覧の作成と案件選択の方法
  • IM:各ITプロジェクト(=プログラム)の開始~終了までの一連のライフサイクル管理
という感じでしょうか(^^)

グローバルスタンダードと言われるだけあって、今まで紹介してきた他のガイドラインと比べても、遜色のない非常に充実した内容になっていますが、一方で下記の3点は念頭に置いておかないと、実務者にとってはツライかな?とも思います(^^;
  • 各プロセスを事細かに定義し過ぎている?
    →詳細であるのは悪いことではないのですが、このガイドライン全てに沿う形で実務を進めるのは(時間/体制の制約条件的に)かなりキツイかも。。。
  • 当たり前のことも・・・当たり前にしっかり書いてある?
    →特に何が重要か?という観点で、ポイントを絞ることが逆に難しい。。。
  • COBITを採用していない企業にとっては、COBITとの整合性が強過ぎる?
    →結果的に定義内容が重複しているものも見受けられる。。。


踏み込んだ内容は、公開されているガイドラインを見て頂くのが一番かな?とも思いますが、最後に活用法について、私の考えをコメントすると・・・


Val ITのフレームワークは、各ドメインの定義に従って全てのアクティビティを一つ一つ対応付けて進めるような正しい使い方をするよりも、(あくまで「ベストプラクティス」と位置付け)現状把握&モニタリングのガイドラインとして、(現状のIT投資管理で何が出来ていて、何が出来ていない?)をチェックするような割り切った使い方、アプローチの方が適しているのでは?と捉えています(^^;


Val ITを実践的に活用している方で、「上記の考え方ではアカン!」という方がいらっしゃれば、是非コメント下さいm(_ _)m

2010年8月23日月曜日

「Val IT入門」(野村総合研究所著)を読んで

「IT投資管理のグローバルスタンダード」と紹介されることが増えつつある「Val IT」について・・・、
今年2月にITGI Japan(日本ITガバナンス協会)から公開されていた「Val IT2.0(日本語版)」は目を通していたものの、「きちんと理解できていないなー」と感じていたところ、渡りに船の本があること?を知ったので読んでみました(^^;

Val IT1.0をベースにしていること(最新版は2.0)は購入前に気付いていたのですが、「入門」というタイトルに惹かれて・・・つい(^^)

ValIT入門―IT投資管理フレームワークValIT入門―IT投資管理フレームワーク
野村総合研究所システムコンサルティング事業本部

生産性出版 2008-03

(Amazonで詳しく見る)

本書は、全10章の内容を下記の3部で構成しており、
  • 第一部:Val ITの導入 (第1章~第3章)
    →「一般的なIT投資マネジメントの考え方とVal ITの紐付け」が中心
  • 第ニ部:Val ITの解説 (第4章~第6章)
    →その名の通り「Val ITの日本語訳+著者の補足に基づく解説」
  • 第三部:Val ITの実践 (第7章~第10章)
    →Val ITの考え方を踏まえた?「IT投資マネジメント推進のポイント」の説明

正直なところ、
第一部はVal ITとは直接関係しない&多くのITIM書籍、調査レポートで記載されている話(重要なコトだけど、「Val IT」の入門書なのに???)、
第二部は解説と言いながらも読み続ける心が折れそうになるぐらいの分かりにくさ・・・
だったので、「読書に費やした時間を返して欲しい」ぐらいの気持ちになりました。。。(著者の方、ゴメンナサイ)
しかし、第三部は・・・Val ITと直接関係しない点は第一部と共通ながら、内容は「Excellent!」の一言に尽きます。

ITIM分野の書籍の多くが、概念・考え方・アプローチといった抽象論までの説明に留まることが多い中、本書の第三部では著者の実践的なノウハウが具体的にまとめられていますので、実務者にとっては非常に大きな価値があると感じます。
特に、下記のテーマ部分は、「実践的」でオススメです。
  • 投資カテゴリーの定義(第7章)
  • 投資プログラムの選別、優先順位付け(第8章)
  • 投資プログラムの計画立案(第9章)

長くなるので引用はしませんが、従来ITIM分野で実務を担ってきた方も、こらから該当分野の実務を担う方にとっても、非常に有用な内容で、参考になると思いますので、是非読んでみてください。
少なくとも、私には大変参考になりましたv( ̄ー ̄)v

最後に・・・そもそも「Val ITとは?」については、2.0の内容を中心に次回以降にご紹介を。。。(^^;