2011年3月11日金曜日

「政府情報システム改革検討会」その2

昨年12月に「政府情報システム改革検討会」より。。。というタイトルで既にご紹介していますが、計8回の会合を経て3/2に改革検討会の提言が纏められていたので、今回はその話を少し。

検討会の位置付けについては、前回の記事を参照して頂きたいのですが、前回以降に公開されている検討会から、私が興味を持った(参考になる or 面白いなーと感じた)点をご紹介すると、、、

◆論点整理(第五回)
  • 発散しかけていた検討会を収束させるための論点整理において、「IT投資管理の必要性」が述べられ、投資効果の創出に有効な手法(民間の事例)として「合意形成アプローチ」が挙げられています。
  • ⇒合意形成アプローチについて勉強したい方は、コチラの本がオススメです(^^)

◆英国の調達管理の取り組み - OGC Gateway Review(第六回)(第七回)
  • OGC(英国商務局)の調達管理の仕組みが紹介されています。
    ⇒プログラム・プロジェクトにおけるリスクマネジメントの方法論としては、非常に興味深い内容ですね。

  • 「CIOを中心とした間接ガバナンス」は興味深いです。
    ⇒タイトルはちょっとげんなりしますが、内容は府省に限った話では無く、大企業/グループ企業のガバナンスのアプローチの要点を突いていますね。

  • 提言は大きく3つありますが、冒頭の提言に「IT投資管理の確立・強化」が挙げられています。
    ⇒やはり、時代はIT投資マネジメントを求めてますね\(^o^)/
  • 但し、最後のオチ?とも言うべき「今後の取り組み」を引用すると・・・「業務・システム最適化指針」、「情報システムに係る政府調達の基本指針」等の各種ガイドラインの必要な見直し、政府共通プラットフォームの着実な整備を行う必要がある
    ⇒あれ?トーンダウンしてない?IT投資管理の確立・強化は必要性を訴えるだけで具体策は無し・・・と思うと、ちょっと残念(^^;

ダラダラと書いてしまいましたが、上記以外にも韓国の指標の話、米国のITダッシュボードの話など、諸外国の政府の取り組みは今まで殆ど知らなかったので、興味深く感じます。

たまたま見つけた情報でしたが、このBlogとも縁ある内容も少なくなく、とても参考になりました。

政府系の仕事には縁が無く、興味も無く???、直接お会いする機会も無いヒト達なので、お礼を言うこともできませんが、興味深い資料を公開してくれた検討会の構成員の方々に感謝です。

最後に・・・政府に限った話ではありませんが、有用な取組み、仕組みが惜しみなく公開され、それを他の企業も参考にしながら更に良いものを生み出す。。。というようなポジティブな循環が、IT分野で進むと良いのになぁ。。。と、思います。

ITの仕組みそのもので勝負できる時代ではなく、ヒトがどう使うか(使いこなすして価値を出すか)が差別化要素になっているのだから。

2011年2月28日月曜日

PPM製品の意外な使い方?

先日、先輩コンサルタントの紹介で、PPM(Project  Portfolio Management)製品を導入している会社(以下、A社)の方に、ヒアリングをする機会がありましたので、今回はその話を少し。。。

Blogという性質上、A社の企業概要について具体的な話は避けますが、百数十人規模のIT部門でC社のPPM製品を活用している一部上場企業です(^^;

ヒアリングを通して、導入前後の変化、影響や、利用者としての率直な感想等、多岐に渡って教えて頂いたのですが、一番興味深かったのは・・・PPM製品の使い方でした。
結論から言えば・・・A社では、「プロジェクトの管理(スケジュール管理、課題管理)よりもむしろ、IT要員の管理(業務の可視化)のためにPPMを使っている」ことが分かりました。

IT投資マネジメント分野、PPM製品の動向を調査している中で、気がつけば・・・製品の特徴、機能を前提とした使い方を勝手に?想像していましたが、一般に多機能型の製品が多いことを考えると、使い方を絞る(割り切って使う)ことは非常に重要なことだと感じました。

改めて・・・PPMの定義を確認しようとしたところ、このBlogでも何度も扱ってきたにも関わらず、明確な用語定義をしていなかったので、@IT情報マネジメントの「ポートフォリオ・マネジメント」の用語定義から該当部分を引用すると、、、
「複数の個別プロジェクトの状況や特性(進捗、リソース、将来性、技術リスクなど)を横断的に把握することで、プロジェクトの選定・着手順序・追加投資・改善・中止などの意思決定を行う仕組み」

また、同様にPMI標準におけるポートフォリオマネジメントの定義は、、、
「特定の戦略的ビジネス目標を達成するために、1つまたは複数のポートフォリオを集中してマネジメントすること」

一般に・・・という一括りも良くないかもしれませんが、今回のA社のケースは「良い意味で」一般とは割り切り方?が違うと感じます。
パッケージ製品を使う場合、全ての機能を使いこなすことが良いとは限りませんしね(^^;

A社の方からお伺いしたことの一部を(差し支えない範囲で)ご紹介すると・・・
  • PPMの導入前には・・・「多様なIT部門業務を全て工数で可視化するのは単純ではない、等」現場には抵抗があった。
  • しかし、結果的には工数管理の部分は参考程度になっており、社内の全案件をツールで一覧化できたことが一番、役に立っている。
  • 具体的には、今どんな案件が動いていて、今後どんな案件が動くのかが各担当者も把握できるため、中期の取り組み計画が容易に立てられるようになった。
  • 管理職にとっては、稼働状況、IT投資額が把握できることにより、数値に基づいた仮説が立てられることも大きい。
企業規模が大きくなるにつれ、IT投資のマネジメントに際して・・・当り前と思うことがその規模の大きさに起因して当り前にできなくなるケースが多くありますが、A社の場合はPPM製品がその点を上手くカバーしている(つないでいる)とも言えそうです。

最後に、、、案件当事者でなければ分からない貴重な情報を得るキッカケを作ってくれた先輩コンサルタントのFさん(この投稿を見ているかどうかは定かではありませんが・・・)、本当にありがとうございましたm(_ _)m

今回のヒアリングを通して・・・コンサルティングを生業としている一人として、人脈の重要性、有り難さを改めて感じると共に、表面的な情報だけで勝手な思い込みをしていた自身への反省ができました。
まだまだ・・・精進が足りませんね(>_<)

2011年2月9日水曜日

Compuware Change Point

更新間隔が少し空いてしまいましたが、アクセス統計を見るとPPM製品に対する検索が多いようなので、今週はCompuware社のChangePointについて、少しメモしておきたいと思います。


Compuware社について、国内では恐らく知名度がそれ程高く無いのでは?と思いますが、実はPPM製品としては「PPM製品の動向&市場」でご紹介したとおり、GartnerのMagic QuadrantでLeader企業と位置付けられています。
また、Vantage製品に代表されるアプリケーション管理製品分野では名の通った企業ですし、最近ではWebサイトのパフォーマンス測定(ベンチマーキング)でも話題になりましたね。
個人的には、Vantageの前身となる製品を十数年前に使ったことがあり、懐かしい思い出もあったりします(^^;

前置きが長くなりましたが、そのCompuware社のITポートフォリオ製品がChangePointです。

但し、この製品については(ついても???)私自身が導入経験が無く、デモサイトも無いので、Webの公開情報をベースに推測込みで、以下に簡単にポイントを紹介すると・・・
  • 製品のウリは、「IT活動のライフサイクル全体をマネジメントするビジネス横断型ITポートフォリオソリューション」
    →相当分かりづらい表現ですが、「IT投資をビジネス(正確にはITサービス)上の効果として関連付け、測定する」ことに主眼を置いてある
  • グローバル市場での製品評価が高いが、国内事例は不明でローカライズもされていない?
    →情報も・・・Webサイト+Webセミナーだけでは良く分からない部分も少なくない・・・
  • 他社製品には無い(若しくは、それ程重視されていない)機能であるアプリケーションポートフォリオ管理に注力
    →プロジェクトタスクをアプリケーション(サービス)に関連付け、プロジェクト視点では管理することのない指標(ユーザー満足度、パフォーマンス等)も含めた管理を志向
  • 提供形態はパッケージの他にSaaS型モデルもある
  • 価格は・・・他製品と比べても安価とは言えない(^^; →パッケージ価格は以前のVer(v.12)で約800万円~、最新Ver(2010)は約1,500万円~???
うーむ。。。
調べれば調べるほど、、、一般の事業会社にはあまり縁が無い製品のような気が・・・(^^;

但し、数百単位でアプリケーションを使っている企業や、ITサービスを提供する側の事業者にとっては、提供サービスを管理する基幹システム的な位置付けとしてはハマるような気がしています。
アプリケーション(システム)を全てサービス視点で捉え、提供機能を活用していくのは、かなりハードルが高そうですが。。。


また、以前のこのBlogのエントリ「アプリケーション・ポートフォリオとは?」で、、、
結論として言葉の意味は・・・「アプリケーション・ポートフォリオ」と「プロジェクト・ポートフォリオ」に明確な違いは無く、ほぼ同じことを指していることも分かりました。
と書きましたが、ChangePointが実現するアプリケーションポートフォリオ機能は、上述のとおりサービス視点の管理という点で所謂プロジェクト・ポートフォリオ機能とは異なっているようですね。

参考までに・・・Gartnerのレポートによれば、アプリケーションポートフォリオマネジメント(APM)の平均成熟度レベルは5段階評価で「1.46」と厳しい結果がでており、ツールの活用が進んでいると言われる欧米においてもアプリケーションレベルでポートフォリオを管理できている企業は、極めて少ないのが実情のようです。

最後に・・・製品ネタを書いていると、「そろそろPPM製品の比較表を・・・」という声が(社内から???)聞こえてきそうですが、中途半端な情報で比較表を作るのは本意ではないので、必要になったタイミングでしっかりと情報収集した上で対応したいと思います( ̄ー ̄)

2011年1月27日木曜日

JUASの「システム・リファレンス・マニュアル(SRM)」

現在担当しているプロジェクトが佳境に差し掛かり、Blogの更新も滞ってましたが、今日の報告会でほんの少しだけ???前進しました(^^)v
次のステップの検討に際して資料を確認している中で、このガイドラインの話をBlogに書いてなかったことを思い出したので、、、忘れないうちにご紹介したいと思います。


忘れていたコトを思い出した・・・という前振りだけでしたが、今回のテーマはJUAS(日本情報システム・ユーザー協会)のシステム・リファレンス・マニュアル(SRM)です(^^)
IPA(情報処理推進機構)がJUASに委託して作成されたガイドラインなので、電子データはIPAのサイトに公開されていますが、一般的にはJUASのガイドラインと認識されていると思います。


  • システム・リファレンス・マニュアル:SRM(JUAS)
    - 第1巻(2004年)
    - 第2巻(2005年)


このガイドラインは、「ユーザー企業のIT戦略策定のリファレンス」という位置付けでユーザー視点で作成されたものですが、経営戦略とITのあり方から、開発・保守・運用管理のノウハウに至るまで非常に広範で(名実ともに???)厚みのある内容となっています。


2004~2005年に作成されたガイドラインのため、当然のことながらトレンド等は少し古いですが、記載内容の多くは現在でも十分活用できるものと思いますし、実際に様々な資料で引用されているケースも見ますので、今でも実践的に活用されているガイドラインと言えると思います。
#時間さえ許せば???読み物としても読むのも面白いと思います。


残念な点を挙げるとすると、、、良い点の裏返しかもしれませんが、ボリュームが多い(多すぎる!)コト、第1巻と第2巻が前半/後半の関係でなく、第1巻を補足/改訂する形の第2巻だったりするので、両方見ないと探している情報に辿りつかないコト、でしょうか?
ちなみに、このガイドラインの全体像を把握したい方は、サマリ版を使ってざっと目を通すのがオススメです。
読み物として見たい方は・・・JUASから刊行物を購入するという選択肢もあります(^^;


なお、このBlogのテーマであるIT投資マネジメントに関するリファレンスは、第1巻の「第2章 戦略・企画」(P.106~174)にあります。
特に「第4節 投資判断と投資評価手法」、「第5節 投資効果測定」の内容は、他のガイドラインのベースにもなっている内容なので、このガイドラインを見たことが無い方は是非チェックしてみて下さい(^^)


最後に、、、このガイドラインに直接的な関係性はありませんが、私の知人の中でも特筆すべき?武勇伝を数多く持つコンサルタントHくんが最近「IT投資評価で重要となる事後評価」というテーマで会社のコラムを書いていました。
そのコラムの中で触れられているJUASの「第16回企業IT動向調査2010」においても、SRMからの引用があります。ちょうどこのテーマを書きかけていたところだったので、不思議な縁にびっくりデス。


「まさか、あのHくんが???」と思った方、是非リンク先からコラムを参照して、フィードバックをしてあげて下さい( ̄ー ̄)
↑↑↑ 内輪ネタで締めてスミマセン。。。

2011年1月17日月曜日

国内ITサービス市場

年明け早々、バタバタ・・・で、気がつけば早2週間が過ぎてしまいました(^^;
今年1回目のテーマは、IT Proの記事で興味深かった「国内ITサービス市場」の、ご紹介です。


ガートナーの山野井氏の執筆記事ですが、この記事を見ていて、、、私が初めて知ったこと&少し意外と感じたことは、下記の3点です。
  • 世界のITサービス市場において、「国内IT市場は一国の市場規模としては、米国に次いで2位」である。
  • 国内ITサービス市場において、成長率が一番高いのは「アプリケーション運用管理」サービス、市場規模が一番大きいのは「IT基盤運用管理」サービスである。
  • 国内ITサービス市場において、ストック型のサービスの市場規模は、フロー型の市場規模の約1.6倍。

まず、国内ITサービス市場の海外市場における位置付けは、、、知っているヒトにすると当り前の話かもしれませんが、グローバル市場の約14%を占めるという規模の大きさ(成長率の低さも?)は特筆すべきモノがありますね(^^;


次に国内ITサービス市場の分類と成長率について、分類の定義が記事からは正確には把握できなかったものの、「アプリケーション運用管理」サービスが平均3%以上成長率であったり、「IT基盤運用管理」が「アプリケーション開発」の1.3倍以上の市場規模であったりと、中々興味深いデータだと感じています。


このデータを見て、皆さんはどう感じたでしょうか?
クラウド化が叫ばれている昨今の現状を踏まえ、2年後、3年後にどう変わっていくと予測されるでしょうか?

最後に、この記事の一部を引用させて戴くと、、、
  • 特にIT投資のポートフォリオを「企業の競争力強化につながる差別化領域」と、「競合他社並みでもよい標準仕様の領域」に大別し、後者への投資を絞る傾向が強まっている
という話は納得感がありますし、上記の前提となる「IT投資ポートフォリオの考え方」は、多くの企業にとって重要度が高まると考えられますね。

という訳で???、今年もこのBlogを通して、情報発信を続けていきたいと思います(^^)