2013年5月31日金曜日

「IT投資マネジメントの変革」出版記念セミナーに参加して。

河田です。
今年からこのBlogの仲間がまた1人増えました。
2010年8月に1人で始めたこのBlogも、昨年4月に仲間が1人増え、今年4月からは
3人のITコンサルタントで共同運営です。ちょっと感慨深い。

内輪話ではありますが・・・仲間が増えることは、視点が広がることに繋がりますし、
良い刺激を受けられるので、他の仲間に負けないように頑張らないと!

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先週末に、前回の投稿でご紹介した書籍「IT投資マネジメントの変革」(松島桂樹編著)
出版記念セミナーに参加しましたので、今回はその話を少し。

主催団体、後援団体の力添えも影響していたのかもしれませんが、主幹の松島先生を
中心とした登壇者(講演)への関心の高さから、、、
休日にも関わらず80人収容の会場(@IBMの丸ビルオフィス)は満席でした。

当日のAgendaはコチラ

開始から終了まで約4.5時間の長丁場のセミナーでしたが、途中退席者も殆どいなかった
ことには、、、良い意味で驚きましたが、
聴講者も学術・研究分野の専門家の方々は勿論のコト、大手企業の企画部門の方から、
大手ITベンダーの方、リサーチ会社の方まで、かなり幅広い分野の方々が参加されており、
質疑の内容も多様性に富んでいたのではないかと思います。

私は、書籍の5章「価値再発見のオペレーション・マネジメント」について、お話を
させて頂きました。



  • 保守活動では、「経営の業務改革や環境変化に対応するための作業」が大きな割合を占めており、保守作業を必要悪と軽視することは、結果として「企業の競争力に重大な影響を及ぼす可能性」があること
  • システム運用の目的が「ITサービスのマネジメント」へ変化している中、安易なコスト削減は企業価値を毀損するリスクがあるが、その重要性は経営層には十分には届いておらず、「運用業務の可視化」は急務であること
  • 保守・運用の役割は、従来の「情報システムの維持・運行」から、「IT資産価値の維持・増大」へシフトしており、価値再発見のためにIT投資のオペレーション・マネジメントに取り組む意義は大きいこと

キーメッセージとして、上記を中心に発表しました。

緊張して、早口になり、自分の話すスピードに頭の回転が追いつかず・・・と
反省の残るプレゼンではありましたが、
  1. .多くの有識者の方々に自分の考えを伝えられたこと
  2. 様々なバックグラウンドを持つ参加者の皆さんから共感メッセージをもらえたこと
  3. 他の講演者、及び参加者の方々から斬新な視点の考えが聞けたこと

等、とても有意義で貴重な時間を過ごすことができたと思います。
やはり、アウトプットしていくことは、重要ですね。

また、3つ目の点について、セミナーを通して私が他の講演者・参加者の話の中で、特に
強く印象に残った話を一部ご紹介すると・・・


  • KPI等の評価は、時として「正しく評価をする方法を考えること」よりも、「評価の行為を通して気付くこと」の方が重要であること
  • クラウド対応の検討は一律的な議論で扱うべきではなく、企業における適性を踏まえて対象範囲を明確にした上で推進する必要があること
  • ITプロジェクトは、経営視点と現場視点の2軸4象限で「満足な成功」、「純粋な失敗」だけでなく、「不満足な成功」、「形式的な成功要件を満たした失敗」を定義する必要があること

私の表現力不足で、この文章だけでは上手く伝わらないかもしれませんが、、、
もし「詳しく知りたい!」という方がいらっしゃったら、ご連絡下さい。

ちなみに、当日の私のプレゼン資料は、以下でした。
 
価値再発見のためのオペレーションマネジメント from Tetsu Kawata


最後に・・・、

貴重な機会を提供して下さった主幹の松島先生、
 事務局として全てを巧みに仕切って下さった栗山さん、
  楽しい講演で盛り上げて下さった講演者の皆さん、
   鋭い質問でディスカッションを有意義なものにしてくれた多くの参加者の皆さん、
    また会場で参加者の入退室のガイドをしてくれたIBMの皆さん、

本当にありがとうございました!!!

2013年4月28日日曜日

ユーザー満足度の調査分析方法

中嶋です。
今月より、IT投資マネジメント情報局のブログメンバーに参画しました。といっても、IT投資マネジメント領域についてはまだまだ素人ですので、暖かい目で見守っていただければ幸いです。

今回は、先日プレスリリースとして公開された、IDCのマネジメントに関する調査レポートについて触れたいと思います。
Project Failure is all about Business Perceptions(原文はこちら

このレポートの中では、プロジェクトの主な失敗要因としてポイントを6つ挙げています。
  1. Inadequate project prioritisation and selection processes.
  2. Changing scope during the project.
  3. A lack of transparency beyond the IT management level.
  4. Insufficient executive involvement in IT project governance.
  5. Vagueness of the businesses' expected needs or project outcomes.
  6. No formalised mechanism for capturing and analysing end-user satisfaction with IT service delivery.
どれもよくある話ですね。
特に2.と5.は、私自身がメンバーとしてプロジェクトに関わっていたときから顕在化していました。相変わらず失敗要因の1つとして挙げられているところを見ると、マネジメント領域で改善・貢献出来るところは、まだまだたくさんあると感じます。

今回注目したのは、6.「ユーザー満足度の調査分析方法が確立されていない」で、確かにユーザー満足度が分かれば、ITプロジェクトの振り返りもより効果的な活動になると思います。例えば、要件がユーザーの求めるものとマッチしていたか、マッチしていなかった場合は何が足りなかったか、といった感じです。私もプロジェクトの振り返りを何度か行いましたが、あくまでプロジェクト内部での振り返りで、ユーザーに対する影響調査までは踏み込めていません。

では、ユーザー満足度はどのように調査分析すればよいのでしょうか?私は、テキストマイニングが解決策の1つとして有効に機能するのではないかと考えます。SNS等に書き込まれたささいなつぶやきから、良い評価・悪い評価を解析出来れば、ユーザー満足度の測定も可能になるはずです。ビッグデータの利活用ですね。

ただ、こんな調査結果も出ています。
日本データマネジメントコンソーシアムのアンケート調査結果ですが、ビッグデータの利活用は検証段階の企業も含めて3割程度しかなく、また米国と比較してもまだまだ後発と言えます。
※詳しくは、「IT Leaders~データマネジメント実態調査」の記事をご確認下さい。

ビッグデータ利活用が進まない主な理由は、
  • データ利活用の目的があいまい
  • データ分析が出来る人材確保が困難、分析のための組織が無い
  • 投資対効果の説明が難しい
の3つだそうです。その一方で、ビッグデータの利活用が重要であると認識している企業は半数以上あるという結果も出ています。データを有効活用したくても、分析出来る人材がいないからやれないのかもしれません。データの解析が出来る人材、データサイエンティストと呼ばれる人材が多く輩出されることで、データの利活用が進んでいくことを願います。そして、データサイエンティストと一緒になって、自分が携わったITプロジェクトの効果を測定してみたいものです。

勿論、効果測定結果を見てプロジェクトの改善にどう活かすのか?といった仕組みは考えないといけません。いつやるか?も含めて、じっくり考えたいです。

2013年4月14日日曜日

米国PMI「ポートフォリオマネジメント標準 第3版」の概要

藤原です。
今回は、米国のPMI(Project Management Institute)から発行されている「ポートフォリオマネジメント標準(The Standard For Portfolio Management)」の概要についてご紹介したいと思います。

PMIはプロジェクトマネジメントに関する知識体系である「PMBOKガイド(Project Management Body of Knowledge)」を発行していることで有名ですが、マネジメント活動の標準として、プログラムマネジメントやポートフォリオマネジメントに関するガイド本も発行しています。

ポートフォリオマネジメント標準では、戦略的なビジネス目標達成の為に求められる様々なプログラム、プロジェクトおよびその他の活動を集合したものを「プロジェクト・ポートフォリオ」と位置付け、この効果的なマネジメントを促進するための様々なプロセスや知識体系を記しています。

昨年の12月末に「PMBOKガイド」「プログラムマネジメント標準」「ポートフォリオマネジメント標準」の3つの文書について改訂が行われ、ポートフォリオマネジメント標準は、第3版が発行されました。
※現在、PMI日本支部において、日本語翻訳化作業が進められている状況です。
※原本はこちら(米国PMI 公式HP)

ポートフォリオマネジメントとは?

ポートフォリオマネジメント標準では、「ポートフォリオ・マネジメント」を以下のように記されています。(※私の翻訳による解釈ですが)

ポートフォリオ管理は、組織の戦略と目標を達成するための一つ以上のプロジェクト等のポートフォリオを協調して行う管理活動です。
それは、組織における評価・選択・優先順位付けというプロセスと、経営ビジョン・ミッション・バリューと整合した経営戦略の達成の為に、限られた内部資源を割り当てることの相互関係を含んでいます。
ポートフォリオ管理は、組織における戦略の変更や、投資に関する意思決定をサポートするための貴重な情報を提供します。


プロジェクトポートフォリオマネジメントのプロセスは、大きく3つの分類で定義されています。

<プロセスグループ>
  • 定義プロセス群(Defining Process Group)
  • 整合プロセス群(Aligning Process Group)
  • 認可・コントロールプロセス群(Authorizing and Controlling Process Group)

これらのプロセス群は、5つの知識エリアで分類され、各個別のプロセスが整理されています。

<知識エリア>
  • ポートフォリオ戦略マネジメント
  • ポートフォリオガバナンスマネジメント
  • ポートフォリオパフォーマンスマネジメント
  • ポートフォリオコミュニケーションマネジメント
  • ポートフォリオリスクマネジメント

プロセスグループと知識エリアのマッピングをまとめたものが以下となります。



第3版への改訂

第2版から第3版への改訂に伴い、このプロセス分類の定義や知識エリアが大きく変わりました。知識エリアに関しては、「ガマナンスマネジメント」と「リスクマネジメント」だけだったのが、「戦略マネジメント」「パフォーマンスマネジメント」「コミュニケーション」という3つのエリアが追加され、再構成されています。
私自身、まだ十分に本書を読み込んだわけではありませんが、第2版では、ポートフォリオの管理活動自体にフォーカスされた構成であるのに対し、第3版では、組織全体を取り囲むステークホルダーとの関係性や、経営戦略との整合を意識した内容について、より強調されたような印象を受けます。


今回ご紹介したポートフォリオマネジメント標準は、あくまで標準的な知識やプロセス、スキル等の参考とする知識や推奨される慣行等を纏めたものであり、全てに適用できるわけではありません。
企業毎に、文化やステークホルダーも違えば、IT投資管理の取組み方にも違いがあります。
ですので、一様にこれらの標準を適用するような事は現実的ではなく、自社で現在取り組まれている投資管理活動を評価する上での参考情報として、本書に記載されていることが自社で実施された場合どのような効果が見込めるか、追加すべきプロセスや重点をおくべきタスクは無いか、等という視点で、一度目を通してみるのも良いかもしれません。



2013年3月15日金曜日

「IT投資マネジメントの変革」(松島桂樹編著)発刊!

河田です。
今回は、昨日(3/14)発刊された「IT投資マネジメントの変革」をご紹介します。

IT投資マネジメントの変革IT投資マネジメントの変革
松島桂樹

白桃書房 2013-03-20
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この本は、国内でIT投資マネジメント分野の第一人者である武蔵大学 経済学部の松島教授が執筆・編集された書籍で、「戦略的IT投資マネジメント」(1999年)、「IT投資マネジメントの発展」(2007年)に続くシリーズ3作目の書籍になります。

執筆者には松島先生に加えてこの分野で一流の研究者、実務家の方々9名(+α)が参加されていますので、内容としても理論的に学べる内容だけでなく、実践的に役立つ内容も多く含まれています。

発売されたばかりの新書なので、具体的な内容の紹介は控え、皆さんにも是非本書を読んで頂きたいと思いますが、参考までに目次をご案内すると・・・

第1部 グローバリゼーションの環境変化とITの動向
 序章 グローバル時代のIT経営戦略
 2章 企業経営にとってのIFRS
第2部 IT投資の資産価値の増大
 3章 ライフサイクルポートフォリオマネジメント
 4章 情報システム構築における経営者の役割
 5章 オペレーション・マネジメントの価値増大
 6章 BCPにどこまで投資すべきか~IT-BCP投資マネジメント
 
第3部 グローバル、グループ経営におけるIT投資戦略
 7章 情報システム部門の再構築~戦略的IT組織とは
 8章 中小企業にとってのIT投資マネジメント
 9章 IFRSで変わる企業会計情報システム
 終章 IT投資マネジメントの研究方法

という3部構成になっています。

国内でIT投資マネジメントを約15年間研究されてきた松島先生が編著され、多くの有識者が関わっていますので、IT投資マネジメントに関心がある方は勿論のこと、IT+経営というテーマに興味がある方には、きっと何らかの気づきが得られるのではないかと思います。

出版社の白桃書房でも、、、
近年の経営環境の変化によりIT投資マネジメントの必要性はますます高まった。本書は,経営のグローバリゼーション,IFRS,クラウドコンピューティングを取り上げ,それらのIT投資マネジメントへの影響と改革を考察。企業経営者・SIer必読の書
と紹介されています。

そして、何故か???私も共著者の末席に加えて頂き、5章を共同執筆しています!
(という訳で、上記の+αは私のコトです。書評等で5章を酷評しないで下さいね。)

5章の内容は、このBlogの過去のエントリ「IT投資のオペレーションマネジメントとは?」でご紹介した内容にも深く関係していますが、一般にネガティブな捉えられ方をすることが多い、運用保守フェーズのIT投資のあり方について、書いています。

実は、、、前職のITコンサルファーム時代に、二作目の「IT投資マネジメントの発展」を読み、松島先生が提唱されている「合意形成モデル」を知ったことが、IT投資マネジメント分野に本格的に向き合うことになったキッカケだったので、数年経った現在にこのような形で三作目に携わることができたことは、とても感慨深く感じています。

ちなみに・・・この本はタイトルの通り、従来のIT投資マネジメントの考え方・アプローチの「変革」に踏み込んだ内容でもあるので、これから該当分野に携わる方には、二作目の「IT投資マネジメントの発展」から読むと、より理解が深まると思います。

IT投資マネジメントの発展―IT投資効果の最大化を目指してIT投資マネジメントの発展―IT投資効果の最大化を目指して
松島 桂樹

白桃書房 2007-05
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最後に・・・、この本を通して、本の執筆の大変さ、編集作業の難しさを知り得たことは、とても貴重な経験になりました。関係者の皆さんには、本当に感謝の気持ちで一杯です。

この場を借りて、改めて、、、ありがとうございました!

2013年2月28日木曜日

ITコーディネータとIT投資マネジメント

藤原です。
先日「ITコーディネータ」のケース研修を受講しました。
この研修を通じて、色々な刺激を受けたので、今回はその話をご紹介したいと思います。

本ブログを読んでくださる方には、「ITコーディネータ」とはどのようなものか既に知っている、または「ITコーディネータ」として資格を保有し、実務として活動をしている方もいらっしゃるかもしれませんが、ご存知無い方のために、ごく簡単ではありますが概要についてまとめると・・・

◆ITコーディネータとは
  • 2001年、通商産業省において、企業の戦略的IT投資を推進する国家プロジェクトの一環として制定された資格制度
  • 特定非営利法人「ITコーディネータ協会」にて資格認定等の運営を実施
  • 現在、経済産業省の推進資格として、約6500名の資格保有者が全国で活動中

ITコーディネータは「経営者の立場に立って、経営とITの橋渡しし、信に経営に役立つIT化投資を推進・支援するプロフェッショナル」と定義されています。
また、ビジョンとして「中堅・中小企業の経営課題に精通し、ITによる解決を通じて経営力強化に貢献する」と掲げられています。
つまり、経営とITの両面に精通し、企業の経営戦略の達成を目的としたIT戦略の実現を企業内外から推進・支援する人材となります。


ITコーディネータ プロセスガイドライン

ITコーディネータ協会では、企業がIT経営を推進する上で順守すべき基本的な原則とプロセスをガイドラインとしてまとめ、ITコーディネータが備えるべき知識体系として活用しています。
※協会のHPにて公開されておりますので、ご興味のある方はこちらからダウンロードしてみてください。

【プロセスガイドライン「IT経営プロセスモデル」の概要】

①IT経営認識プロセス・・・経営者・従業員が「IT経営が必要」ということの重要性を認識するプロセス
 (1) 変革認識フェーズ:経営者・従業員の気づき、課題と解決策、変革構想、等
 (2) 是正認識フェーズ:新たな環境変化・自社課題、改善への気付き、是正アクション等
 (3) 持続的成長認識フェーズ:ビジョンの評価、将来や新たな枠組みの洞察、等

②IT経営実現プロセス・・・経営戦略~IT戦略、調達・導入・活用に至るまでのプロセス
 (1) 経営戦略フェーズ:経営環境分析、経営戦略策定と展開、等
 (2) IT戦略策定フェーズ:IT環境分析、IT戦略策定と展開、等
 (3) IT資源調達フェーズ:調達計画策定、RFP発行、等
 (4) IT導入フェーズ:IT導入実行計画策定、IT導入実行と管理、等
 (5) IT活用フェーズ:ITサービス活用と管理、IT戦略達成度評価、等

③IT経営共有プロセス・・・IT経営の実現に必要な共通的なプロセス
 (1) プロセス&プロジェクトマネジメント
 (2) モニタリング&コントロール
 (3) コミュニケーション

これらの各プロセス、フェーズにおいて経営者の意思決定や現場の実務に対して助言や支援を行う役割をITコーディネータが担います。


◆ITコーディネータ ケース研修制度

ITコーディネータの認定条件としては、「筆記試験に合格すること」+「ケース研修を履修すること」が必要となります。

【ケース研修制度の概要】
  • 2012年にケース研修の実施形態が、15日間の集合研修から、eラーニングによる個人学習+集合研修(6日間)に変更
  • eラーニングによる個人学習は、プロセスガイドラインの要点を事前に学習し、以降に実施する集合研修につながる事前課題に取り組む
  • 集合研修では、プロセスガイドラインを理解した上で、モデル企業を題材にしたケーススタディを実施
  • 受講者はグループ毎に分かれ、モデル企業に関する経営戦略・IT戦略策定からITサービス活用までの各プロセスの様々なタスクを実践
  • 集合研修実施後は、取り組んだプロセスを復習することも兼ねて、該当部分のレポート課題を提出

今回、このケース研修を受講したことで、講師や他の受講者の方々との情報交換、ケーススタディでの取組みを通じて、多くの刺激を受けることができ、非常に有意義な時間だったと感じています。


◆研修を通じて感じたこと

  • 経営戦略~ITサービス活用といった幅広いテーマに関して、有益な情報や知識を体系的に習得できる

   個別プロセスを意識するのではなく、IT経営プロセスのライフサイクル全体を
   俯瞰することで、各プロセスやフェーズの位置付けと目的、後続するフェーズ
   との関連性や意義を認識しながら、タスクを理解することができます。

  • 受講者間の情報共有、人脈形成ができる

   受講者は様々な分野や職種の方々なので、ケーススタディにおいて、各々の業
   務経験から得られた知見や価値観を基に討論を重ねることによって、互いに新
   たな視点、考え方など多くの気づきを得られます。

残念だった点は、研修時間が短縮された影響もあり、限られた時間内で多く課題(ケーススタディ)に取り組まなければならない為、解釈を深化させたり、講師や受講者の実務上の経験等の情報共有の時間がもう少し確保できれば良かったなと感じています。


◆ITコーディネータとIT投資マネジメントの関連性

ITコーディネータがIT経営の実現に対する支援・推進を進めていく取組みは、IT投資マネジメント活動と非常に密接な関係にあると感じます。

プロセスガイドラインでは、IT戦略策定フェーズからITサービス活用フェーズにおける基本原則として「投資対効果の原則」を以下のように記載しています。

経営戦略目標達成のためのIT導入の目的を確認し、目的を達成した場合の効果とその効果を達成する仕組みを明らかにする。あらかじめ投資利益率・投資回収年数等の評価基準を設け投資対効果を評価する。これらの評価を参考にして、経営戦略目標達成の貢献度の高いものを優先して実施する。

つまり、IT経営実現のプロセスとして、戦略目標としての指標を定めると共に、その達成度評価による投資対効果の評価活動をIT経営のプロセスに組み込んでいます

IT戦略に基づく「IT導入」が目的ではなく、その投資・ITサービス活用によってもたらされる「経営戦略の達成」を目的として支援活動を行うITコーディネータにとって、IT投資管理に対する強い意識を持って各プロセスを推進していくことは、非常に重要であると感じます。

最後に。
ITコーディネータの有資格者は、地域毎や研究テーマ等によるコミュニティを形成し、様々な活動を行っています。今後、こうした活動を通じて、積極的な情報収集と企業への支援活動の実践に向けて取り組んでいきたいと考えています。