2014年1月31日金曜日

IT投資動向調査(2014)から感じた期待

藤原です。

2014年最初の投稿となります。
本年も、IT投資やITマネジメント全般に関する様々な情報について
発信していきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します。

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昨年12月に株式会社アイ・ティ・アールから「国内IT投資動向調査報告書2014」が
発表されました。
国内企業955社からの回答から、企業のIT予算や投資戦略に関する2013年度の状況、
そして、2014年度に向けた予測内容についてまとめられています。
※発表されたプレスリリース(サマリ紹介)はこちら

また、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)からも今年1月に
「企業IT動向調査2014」が発表されました。
こちらも国内企業1016社(有効回答)からの調査結果に基づき、企業のIT投資動向
について、2013年の実態と2014年の予測がレポートされています。
今回発表されたのは速報値となっており、今後、詳細なデータ分析結果をまとめた
報告書が発行される予定となっています。
※発表されたプレスリリース(サマリ紹介)はこちら

詳細な内容については、それぞれ提供されている情報を参照していただきたいと
思いますが、発表されている内容をザックリとまとめると、以下となります。

  • 2014年のIT投資は2013年に比べ増加する傾向にある
  • 企業業績や売上規模の大きい企業ほど、積極的(戦略的)な投資傾向が強い
  • 重点的なIT投資分野はIT基盤の統合や、顧客管理・営業支援や生産・販売管理等の基幹業務

2013年の実績に関しても、2012年度時点での予測値から大きく上回っており、
こうした上昇傾向は、2014年度も継続することが予想されています。

ここで着目したいのが、重点的に取り組まれるIT投資分野の実態です。

企業活動を支える基幹業務のIT基盤の整備、強化こそ重要であることは疑う余地は
ありませんが、戦略的なIT投資として「新しい技術や研究開発」に向けた投資動向、
とりわけ「オープンテクノロジーの活用」に関する企業の投資意欲や取組み実態は
どうなのでしょうか?

先日、JUAS主催のセミナー「JUAS Future Aspect 2014」にて、
「オープンテクノロジーが切り拓く未来」と題して、弊社も講演をさせて
いただきました。
近年、テクノロジーのオープン化は、一般的に知られているオープンソースである
「Linux」「Apache」「Hadoop」等といったミドルウェア群だけでなく、
ハードウェア制御(自動車、人工衛星、ロボット)や高度な分析・処理技術(画像
解析・センサー技術、機械学習など)にまで及んでいます。
近い将来、ビジネスの世界において、こうしたオープンテクノロジーの活用が
より高まっていくことが予想されます。
セミナーに参加いただいた企業の方々の反響からも、これらの先進技術への期待や
関心の高さが感じられました。

こうした革新的な新しい技術に対する投資は、投資対効果が判断し難い分野とも
言えます。単純なROIだけの判断基準では意思決定が困難であるため、様々な
視点での投資評価基準の設定や、段階的な評価・運用が必要かと思います。

消費税の影響は気にはなるところですが、
現時点での企業調査においては、2014年のIT投資動向は「増加・上昇の傾向」です。

この勢いに載せ、企業の投資分野として、オープンテクノロジーを活用した革新的で
ワクワクするような製品・サービス開発への取組みが増加していくことを期待します。


2013年12月30日月曜日

2013年の振返り

河田です。
早いもので今年も残すところ、あと僅かとなりました。

今年は、2020年東京五輪の誘致決定や、富士山の世界遺産の認定、
また日本経済の緩やかな回復等、社会的に喜ばしい出来事も多くあり
ましたが、皆さんにとって、2013年はどのような1年だったでしょうか?

個人的には、
共著者として携わらせて頂いた「IT投資マネジメントの変革」が出版され、
IT資産価値研究会」を有志で立ちあげたり、
(ここでは書けませんが)仕事上でとても貴重な経験をしたり・・・と、
IT投資マネジメント活動の一つの節目となる一年だったように感じています。

実はこのブログにおいても、4月から投稿者の体制を強化し、
投稿テーマも狭義のIT投資管理から、
プロジェクトマネジメント、プログラムマネジメント、IT資産管理等も含めた
広義のIT投資マネジメントへと試行錯誤してきました。

今回はその取組みの振返りも兼ねて、簡単にご紹介したいと思います。

振返りには、毎年恒例の?Google Analyticsの統計データに加えて、
今年から始めたSlideShareのデータも一部使ってみました。

まず、初めにGoogle Analyticsで全体傾向を見ると・・・
投稿数が変わらない中で、訪問者、ユーザー数、ページビュー共に増加
しているので、取組みにより一定の効果が得られていると思います。

  • 訪問者は約2割増加(3,813人→4,586人)
  • ユーザー数は約3割増加(2,769人→3,570人) 
  • ページビューは約15%増(6,433PV→7,402PV)


次に、参照元(ソースメディア)を見てみると・・・
このサイトへのアクセスの多くは、「検索エンジン経由」であることが分かります。
  • Googleからの検索結果が一番多い(約65%)
  • Yahoo、Bingを合わせると、参照元の約8割超が検索エンジン


検索キーワードについては・・・
昨年とキーワード、傾向自体に大きな変化はありませんが、キーワード次第で
滞在率にかなり差が出ている
ことが分かります。
  • 「IT投資マネジメント」、「ガイドライン」、「アプリケーション・ポートフォリオ」、
    「IT投資管理」が主なキーワード
  • 「ポートフォリオ」の関連ワードが上位10件の4件を占める
  • 「IT投資マネジメント」で検索した人の滞在率は4分を超える



閲覧ページについては・・・

昨年と基本的なパターンは変わらず、実践的なコンテンツへのアクセスが多いこと、
また、プログラムマネジメント、IT資産価値等の新しいテーマに対しても相当数の
アク
セスがあることも分かります。
また、作成時期(コンテンツの目新しさ)はあまり関係ないことが分かります。



続けて、SlideShareへのアクセスを見てみると・・・
こちらもより実践的、実務的なコンテンツの方が、アクセス数が多いことが分かります。


SlideShareについてはレコメンドによる流入がかなり多いと想定され、また有料の
ユーザー分析も使っていないので、概要の傾向しか把握できませんが、傾向と
いう意味ではGoogleAnalyticsの統計と類似していると言えそうです。


振り返ってみると・・・
年間の訪問者数が昨年に比べて増加していること、
プログラムマネジメント、IT資産価値等の新たなテーマへのアクセスが相当数あること、
GoogleだけでなくSlideShareでも同様の傾向が見えること
から、継続的な取組みだけでなく、新たな取組みについても一定の成果が得られて
いると思います。

詳しく見れば、、、
直帰率が依然高い状態であったり、滞在時間の短いコンテンツが多いことから、
コンテンツの質の向上は課題と言えますが、
実務者向けのコンテンツへのアクセスが多いことは(実務者の一人として)とても
嬉しく思っています。

改めて、多くの参考情報を提供してくださった諸先輩や、このブログを見てくれた方々、
フィードバックをくださった読者の皆様に深く感謝します。

来年もIT投資マネジメントに関連する分野の皆様にとって、有益な情報を発信できる
よう取り組んでいきたいと思います。
また、このブログの運営から得られた情報を活かして、見える形の仕組みについても
仕事の一環として検討したいと考えています。

それでは、最後まで読んでくれた皆様・・・
よいお年を。
来年もどうぞ宜しくお願いします。

2013年11月30日土曜日

「ITマネジメントの新機軸」(向正道著)を読んで

河田です。
気がつけば、今日で11月も終わり。月日が過ぎるのは本当に早いですね。

研究会でお世話になっている先輩コンサルタントの方から、先日発売されたばかりの
素敵な本を頂きましたので、今回はその本をご紹介します。

経営・事業・ITの三者で進めるITマネジメントの新機軸経営・事業・ITの三者で進めるITマネジメントの新機軸
向 正道 新日鉄住金ソリューションズ

日経BP社 2013-10-17
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この本は、ITコンサルタントという実務家の一面だけではなく、
資源ベース論の研究者としての一面も併せ持つ著者が、
「システム化計画(IT計画)」を中心にITマネジメントのあり方を書かれた本であり、
実務的なテーマを学術的な視点も組み込んでまとめ上げているという点で
非常に貴重な本ではないかと思います。

一般論として、実務家が経験に基づく話を語る場合は、ケースバイケースの偏った
内容になってしまうことも少なくなく、
一方で、研究者の方は時として実務を無視した机上論になっている場合もあるの
ではないかと思いますが、この本はその両面を上手くバランスを取って、セオリーに
基づきながらも地に足のついた話が展開されている本だと感じます。

本の帯に「CIO、情報システム部員必見!」と書かれているのも頷けますね。

発売されたばかりの本なので、具体的な内容は本書を見て欲しいと思いますが、
目次だけご紹介しておくと・・・
第1章 企業における情報システムとその役割
第2章 システム化計画の概要
第3章 経営者視点からのITマネジメント(経営戦略とITの融合)
第4章 事業部門視点からのITマネジメント(ビジネスプロセスと情報)
第5章 情報システム部門視点からのITマネジメント(サービスレベルとコストの最適化)
第6章 IT施策の統合(優先施策と中期ロードマップの作成)
第7章 情報システム部門の組織運営(施策の推進に臨み)
という構成になっています。
各章の終わりには要約があり、頭を整理しながら読み進めることもできます。

IT投資マネジメント、IT投資管理に関して考察するアプローチではないのですが、
システム化計画を通して「IT投資はどのように企業業績を向上させるのか?」
というIT投資のあり方の本質に迫っています。

著者自身が冒頭に書いている通り、所謂ノウハウ本では無いので、目新しさを求める
方にはFITしないかもしれませんが、この分野の仕事に関わる多くの方にとって、
ITマネジメントの全体像が網羅的・体系的にまとめられている点で、非常に示唆に富む
本だと思います。(何度も読み返す価値があります)

私自身、戦略論の経験はまだまだですが・・・あとがきに書かれているシステム化計画が
次の活動につながらないケース(3つの考慮点)は、同じコンサルタントとしてとても共感
できました。
1.報告書の全体感
2.施策の具体性
3.推進責任者が不明確
このキーワードに心当たりのある方は、是非この本を手にとって見て下さい。
日々の多忙な業務の中で、この本を纏めあげた向さん、ホント凄いです。

最後に・・・著者の向さん他、複数企業のコンサルタントの方々、研究者の方々と一緒に、
今年の5月から「IT資産価値研究会」にて研究を深めています。


具体論はこれからですが、
先月の経営情報学会(2013年秋季全国研究発表大会)で
IT資産の価値評価に関するフレームワークの構築
というテーマで共同研究発表もしています。

該当テーマの研究に興味のある方はご一報ください。


2013年10月29日火曜日

プロジェクトの失敗についての考察

中嶋です。
今回はIT投資マネジメントから話がそれてしまいますが、プロジェクトの失敗についての自分なりの考察を書いてみようと思います。


先日、こんな記事がITproで掲載されていました。

 ITpro:なぜプロジェクトマネジメントは機能しないのか

「プロジェクトの成功率は3割にも満たない」と言われ続けていますが、こういった記事を見ると、如何にプロジェクトを成功させることが困難であるかを改めて感じます。昔と違って、マネジメント系の教育も充実していますし、プロジェクトマネジメントやPMPといったマネジメント系の資格取得者も増えているというのに何故改善しないんでしょう?

色々な理由があってプロジェクトは失敗してしまうわけですが、根本原因は以下2つではないかと私は考えています。
 1.スコープが定義出来ていない
 2.プロジェクトの振り返りをしっかり行っていない
以下で、それぞれについて意見を述べたいと思います。

1.スコープが定義出来ていない
これは、見積が甘かったという声を取り上げたものです。要件(機能・非機能)、要員、コスト・・・色々あるとは思いますが、いずれもスコープが正しく定義出来なかったから起こる事象です。
では、スコープは要件定義段階で明確に定義出来るものなのでしょうか?答えはNoだと思います。ITプロジェクトの成果物が目に見えないという性質上、最終的なイメージを付けづらいからです。そのため、後から後から要望が増え収集がつかなくなったり、そもそも思っていたものと違うものが出来上がって使われないといった事態に陥ってしまいます。

個人的には「大枠のスコープを定義」して、後はお客様との認識ギャップを減らす取り組みを続けたり、発生する可能性のある変更を予め洗い出して共有しておくことが効果的だと思います。

前者は、プロト開発やイテレーション開発、簡単なところではお客様とのコミュニケーションを増やすといったことが考えられます。少しずつ成果物が見えてくれば、お客様のイメージもより具体的になりますし、コミュニケーションを増やすだけでも認識ギャップは大幅に減らせます。特に開発フェーズ等、請負期間中は移行やユーザーテスト、ユーザー教育の話が中心となってしまい、機能イメージの共有等を行わないことが多いように感じますので、やってみる価値は大いにあると思います。

後者は、リスクマネジメントの実践です。マネジメントは実践しているといっても、リスクマネジメントを正しく実践しているプロジェクトは少ないのではないでしょうか?実際リスク一覧を作っているといっても、書いている内容が具体化されていなかったり、洗い出して満足してしまって運用されていないプロジェクトが多いように感じます。まだ実践されていないのであれば、フェーズの開始終了時点だけでも有識者を集めて、リスク検討してみてはいかがでしょうか?


2.プロジェクトの振り返りをしっかり行っていない
プロジェクトの振り返りを行うことは、ナレッジの共有という意味でも非常に有効であると考えています。冒頭で挙げた記事を引用すると、
プロジェクトとは、
 「やったことがないことを何が起こるか分からないのに、計画して、
  予定通りのモノ(コト)を、期限までつくる(終らせる)こと」
とあるように、分からないことに挑戦することでもあります。プロジェクト推進期間中に、何事も起きないプロジェクトは皆無です。であれば、過去に苦労した情報は貴重で価値のある情報なのですが、あまり共有・活用されない傾向にあります。
それもそのはずで、振り返りはプロジェクト期間外(終了後)に行われることが多く、実践したとしても主要メンバーが別プロジェクトに参画してしまい、なかなか本質を突いた振り返りが出来ていないからです。
これを防ぐためにも、フェーズの切れ目で振り返りを行うことをオススメします。私の参画していたプロジェクトではありませんが、フェーズの切れ目で振り返りを行い、プロジェクトの終了後に総合的な振り返りを行うことで、本質を突いた意見や改善提案が多く挙がっていたように感じます。言いづらいことを言いやすくしてもらうために、匿名性で問題点・改善点を挙げてもらうといったプロジェクトもありました。とにかく後に続く貴重な情報を吸い上げられる仕組みを作ることが大切です。

振り返りの後は、整理した内容をノウハウとして一元管理する仕組みを作り、簡単に検索・閲覧出来る仕組みがあると良いですね。集めたナレッジを分析した結果、同じような問題にぶつかったプロジェクトが多ければ、プロジェクト参画者で集まって分科会を開き、改善策を深掘りするのも良いでしょう。



長々と書いてしまいましたが、今回はこの辺で。少しでも多くのプロジェクトが成功するよう、またメンバーが楽しくプロジェクトを進めることが出来るよう、自分自身も精進していけたらと思います。

2013年9月28日土曜日

アジャイル開発とIT投資について

藤原です。
今回は、「アジャイル開発」をテーマに、関連するトピックとIT投資の観点から見た価値について述べたいと思います。


アジャイル開発とは
ソフトウェア開発において従来より広く採用されていたウォーターフォール型開発は、求められる全て機能の実装を最終的なゴールとして、「要件定義」「設計」「実装」「テスト」の流れを順序通りに進めるアプローチ(計画重視)であるのに対し、
アジャイル開発は、小さな機能レベルで動作するソフトウェアをリリースし、各種要件や環境変化に応じて、イテレーション(反復)による開発を繰り返すことで機能を成熟させていくアプローチ(変化対応重視)の開発手法です。

アジャイル開発は、ソフトウェア開発自体を円滑に実施することに着目するのではなく、可能な限り早い期間で動作可能な機能を提供し、環境変化にも対応すべく、機能を変化・拡充していくことで、開発されたソフトウェアがもたらす価値を最大化する点に着目する点が特徴と言えます。


アジャイル開発の現状
先日、MPFU(Microsoft Project Users Forum)主催のセミナー『アジャイル開発の現状と「プラクティス・リファレンスガイド」』に参加した際、アジャイル開発を取り巻く現状を伺いました。
紹介されていた内容をかいつまんで要約すると
  • 海外で多く普及されており、日本国内でも年々増加傾向にある
  • アジャイル開発の適用に関して親和性の高い領域
    • ビジネス要求が変化する領域
    • リスクが高い領域(市場/技術リスク)
    • 市場競争領域
  • 逆にチャレンジや創意工夫が必要(困難)な領域
    • 大規模開発
    • 分散拠点開発
    • 組織間をまたぐ開発チームによる開発
    • 組み込みシステム開発
  • アジャイル開発はW/F型開発に比べ、技術者の満足度(モチベーション)が高い
  • ジャイル開発の様々な事例と具体的な実践方法のリファレンスをまとめた「リファレンスガイド」がIPA/SECから発行されている

アジャイル開発は、多くの企業で採用・実践され、確実に普及していると言えます。
近年、ビジネス環境の変化に伴いスピードが求められる中、その有効性についても、開発者と利用者の双方から認識されていると考えられます。
ただ、依然として、基幹システム等の大規模なソフトウェア開発においては、実践する上での工夫が必要である点や、ベンダーとの業務委託等の契約スキーム等、検討すべき課題はあるのが現状のようです。


アジャイル開発と要求分析(ビジネスアナリシス)
「要件が曖昧だと開発が進められない」
従来のウォーターフォール型開発では、こうした要求定義の重要性が問われるケースが多く聞かれますが、アジャイル開発の場合はどうでしょうか?

アジャイル開発においても、同様に要求分析は重要と言えます。
イテレーションを繰り返す中で、実装されていく機能が、ビジネス上の目標を達成するための要求と整合が取れているか、常に要求分析を行う必要があります。

以前、本ブログでも紹介した要求分析に関する知識体系であるBABOK(Business Analysis Body of Knowledge)においても、アジャイル開発におけるビジネスアナリシス活動のプラクティスをまとめた拡張版「Agile Extension to the BABOK」が2013年7月に公開されました。

BABOKのアジャイル拡張版には、各種アジャイル手法(XP、Scrum、Kanban)におけるビジネスアナリシスの役割や責任、実務上のテクニック等がまとめられています。
#アジャイル拡張版の詳細は、また別の機会にご紹介したいと思います。

こうした動向からも、開発手法としてのアジャイル開発の普及、有効性に関する認識の高まりを感じることができます。


IT投資の観点から見たアジャイル開発の価値
IT投資の観点から、アジャイルによるソフトウェア開発は大きなメリットがあると言えます。私は、アジャイル開発の価値として、以下が挙げられると思っています。

  • 短期間で動作するソフトウェア(機能)をリリースすることで、投資対効果を早期に実現できる
  • イテレーションによって機能を変化・拡充することで、投資価値を最大化できる
  • ビジネス環境の変化に対応すべく、機能実装を通じて投資をコントロールできる

SaaS、PaaS等のクラウドサービスが成熟していく中、ソフトウェア開発自体の在り方も変化している現状からすれば、ビジネスをとりまく環境変化に柔軟に対応でき、投資効果を早期に実現可能な手法が普及するのは当然と言えるかもしれません。
ただ、開発するソフトウェア(機能)の安定稼働の実現、戦略目標達成に向けた価値を十分に発揮するまでに、どれだけイテレーションを繰り返すか、投資をかけるべきなのかについては判断が必要な部分と言えます。

アジャイル開発においても、ソフトウェアのライフサイクルを意識したIT投資管理が重要だと思います。