2012年6月30日土曜日

イギリス内閣府『Management of Portfolio(MoP)』の概要

今回は、イギリスの内閣府(Cabinet Office)から発行されているポートフォリオマネジメントのベストプラクティス「Management of Portfolio(MoP)」について、概要をご紹介したいと思います。
イギリス政府では、ベストマネジメントプラクティス(マネジメントに関する成功事例集)に関する多くの文書を発行しています。今回ご紹介するポートフォリオマネジメントに関する文書以外でも、ITサービスマネジメントのベストプラクティスとして認知されている『ITIL』を発行しているのも、このイギリス商務局です。
(発行所管については、2010年に、商務局(OGC)から内閣内閣府(Cabinet Office)に移管されています)

MoPは「適切なポートフォリオ管理のロードマップを設計するために有用なアドバイスを提供するものである」と記されています。
MoPは、5つの原則、及び2つのマネジメントサイクルとそこに含まれる12の慣行(管理項目)によって構成されています。

5つの原則
  1. 上級経営者層によるコミットメント
  2. ガバナンスとの整合
  3. 戦略との整合
  4. ポートフォリオオフィス構築
  5. 変革の文化に対する意欲

2つのサイクルと12の慣行
  1. ポートフォリオ定義サイクル
  2. ポートフォリオ実行サイクル

 ポートフォリオ定義サイクルに含まれるプラクティス
「理解(把握)する」
「分類する」
「優先度を設ける」
「バランスを考慮する」
「計画する」

ポートフォリオ実行サイクルに含まれるプラクティス
「マネジメントコントロール」
「ベネフィットマネジメント」
「財務マネジメント」
「リスクマネジメント」
「ステークホルダーマネジメント」
「組織ガバナンス」
「リソースマネジメント」

このような項目で箇条書きすると、知識体系のような印象ですが、MoPは知識体系や標準という位置付けではなく、あくまでガイドという位置付けで、ベストプラクティスの利用事例、ベストプラクティスに関する実践方法等が説明されています。

こうした実例を通して纏められた様々な示唆は、実務における様々な局面において有益な情報になると思います。

今回はご紹介はあくまで概要レベルですので、 ご興味のある方は是非原文をご参照ください。