2012年2月29日水曜日

PPM製品の市場変化?

少し前にプロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM:Project Portfolio Management)製品を調べる機会があったので、今回はPPM製品についての話を少し。
#同じPPMでも・・・BCGが提唱したプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(Products Portfolio Management)の話ではありません、念のため。


PPMの製品市場については、2010年9月に「PPM製品の動向&市場」で話題として扱って以降・・・随分と間が空いてしまいましたが、改めて調べてみると興味深い情報が得られたので、ご紹介します。


まず、主力製品のポジショニングについて、Gartnerの市場分析レポート(Magic Quadrant)を過去2年間で比較すると、、、
出典:Magic Quadrant for Integrated IT Portfolio Analysis Applications 2011(Gartner) 
出典:Magic Quadrant for IT Project & Portfolio Management 2010(Gartner) 


この2つのレポートの違いを見てみると、、、

  • 対象企業が大幅に減っている(31社→13社)
  • ⇒企業買収・合併が多い分野とは言え・・・1年で半分になるもの?
  • レポート名が微妙に変わっている(for IT Project & Portfolio Management→for Integrated IT Portfolio Analysis Applications)
    ⇒私が恣意的に抽出するレポートを変えた訳ではありません。。。
  • Leader企業も大幅に入れ替わっている(Leader企業も6社から3社へ)
    ⇒各社のPPM製品機能や評価がたった一年で大きく変わるもの?


「市場の変化が早い」とは言え、何故だろう?と思って調べた結果、上記の違いの元となるWebinar資料が公開されていました!




詳細は上記の資料を見て欲しいと思いますが、ポイントを纏めると、、、

  • PPM市場は、分析するにはあまりに広がりすぎた(GartnerがUniverseと表現する位に)
  • 従来はプロジェクトのリソース管理という切り口で同一市場と位置づけていたPPM製品は、用途に応じた4分野(IT/NPD/PSA/AEC PPM※)分類できる
  • 結果、CIOの意思決定を支援するIT PPMに焦点を当てて市場分析することにした

    (※)IT:internel IT / NPD:new product development / PSA:professional servicies administration
       / AEC: traditional architecture, engineering and construction

当たり前の話ではありますが、図表だけ眺めていても読み取れない変化です。




ちなみに、国内のPPM市場は、、、
  • IDCでさえ「国内エンタープライズアプリケーション市場」として一括り(エンタープライズ・リソースマネージメント(ERM)製品の一つに区分)にして扱っている
    ⇒PPMの市場規模さえ未だ把握できない状況
  • 但し、広義のBI製品の中にポートフォリオ管理機能が組み込まれていたり、プロジェクト(工数)管理製品にポートフォリオ機能が組み込まれているケースが増加
    ⇒PPM製品としては多様化
  • 海外のPPM製品ベンダーが日本に進出し、一部には導入事例も(例えば、Scifoma

大きな変化は見られないものの、国内市場でも少しづつ変化の兆しは出ているように感じます。


このBlogのエントリーの中でもPPMをKeywordとしたアクセスは増加傾向にあるので、興味を持っている潜在的なユーザーは増加しているのかもしれませんね。


今年は会社の仲間が、PPMに関する研究会に参加して情報を収集してくれるはず?なので、そのアウトプットが今から楽しみです。