2014年3月31日月曜日

データ分析と人材

藤原です。
最近、担当業務の関係上「データの利活用」について考える機会が増えていることもあり、今回は、IT投資管理とデータ分析、それを担う人材について感じたことを少し述べたいと思います。

「ビッグデータ」「データサイエンティスト」というキーワードもバズワード感が否めませんが、企業においては、依然としてビッグデータ活用への関心は高く、先日参加した日本データマネジメントコンソーシアム主催の「データマネジメント2014」の盛況ぶりからも、その様子が伺えました。

ではデータを活用する上で、企業が感じている課題認識はどういうものでしょうか。
少し前のものなりますが、野村総合研究所から発表されたアンケート結果では、ビッグデータの活用に対する課題・問題として、以下が項目が上位に挙げられています。

  • 活用目的の明確化
  • 投資対効果
  • スキルや人材

スキル・人材について、「データサイエンティスト」という職種に対する注目度や認知度もあり、データ分析スキルを備えた人材は着実に増えていると感じています。

数日前に経営科学系研究部会連合協議会が主催する「データ解析コンペティション成果報告会」を拝聴してきました。
このコンペは、大学生や一般から応募された各チームが、題材として提供されたデータを基に、様々なテーマにそってデータ解析を行い、その分析手法の学術的新規性や、ビジネスへの適用性等の視点から競うものです。

その成果報告会では、多くの大学生が様々な分析アルゴリズムを構築し、データ分析を実施した結果をプレゼンしており、その内容のレベルの高さや取組みへの熱意が感じられ、将来のデータ分析を担う人材の出現を大いに期待できるものでした。
今回、データサイエンティスト予備軍ともいうべき、多くの大学生の方々のデータ分析への取組みに触れ、とても良い刺激を受けました。

そんな若きデータ分析の人材が、今後実務を担っていくにあたって留意していくべきことは、 データ利活用・データ分析はあくまで”手段”であって”目的”ではないため、データ分析結果がどのようにビジネス課題の解決に寄与するかが重要であり、常に意識すべき点となります。
そのため、「データ分析や統計スキル」だけでなく、「ビジネスや業務のスキル」や『ITのスキル」といった総合的な能力が求められます。
しかしながら、これら全てを網羅的に、かつ高いレベルで備えることは難しいので、実際には各々の分野に強みを持つ人材がうまく連携することが必要だと考えます。
データ分析の実務者として有名な大阪ガスの河本さんが所長を勤めるビジネスアナリシスセンターもデータ分析の専門家だけで組織されているわけではなく、様々な分野のスペシャリストによって構成されているとのことでした。

企業としては、データ分析スキルや人材確保を単体の課題認識として捉えるのではなく、ビジネス課題を解決するために、データ活用を支える総合的な組織づくりや企業文化を醸成することが必要ですし、
データ分析を担う人材は、自身の専門性をビジネスに活かすことを常に考えてアンテナを張り、ビジネス課題に対する成果を求めていく姿勢が重要であるように感じます。

データの利活用は、IT投資管理においても非常に重要な要素であると私は考えています。

戦略的なIT投資を実施していくにあたり、データに裏付けられた事実とそこから導かれる将来予測や最適化などの分析結果が、投資判断における様々な意思決定の支援となります。
(そこには、IT投資管理に必要となるデータが、手入力によって得られるものを含むことに起因する「精度」や「信頼性」という課題はあるかもしれませんが)

今回、私が刺激を受けた若きデータ分析エンジニアの方々が、今後、IT投資管理の分野においてもその価値を発揮していくことを期待します。

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